一の巻

一の巻 『白き誇りと決意の灯』 主演:白鷺いちか

白鷺いちか『白き誇りと決意の灯』挿絵

姫路の城下町で生まれた白鷺いちかは、歴史ある商家の一人娘として育ちました。幼い頃から「伝統を守る」ことの大切さを教えられてきたいちかは、成績優秀で、几帳面かつ曲がったことが嫌いな性格も相まって、誰からも頼りにされる存在でした。

しかし、いちかが12歳の頃、商家の取引を巡る不正事件に一家が巻き込まれ、突然の倒産危機に追い込まれてしまいます。その影響で一家は多額の負債を抱え、生活は一変しました。奮闘むなしく両親は亡くなり、いちかは家業を支えるため懸命に働くことになります。学業の傍ら家事と仕事に追われる日々が続きましたが、それでも彼女はくじけることなく「今は辛くても、必ず道は拓ける」と信じて努力を重ねました。

高校1年の夏、いちかは鏡野ミライと出会います。ミライはいちかの誠実さと芯の強さに心を打たれ、仲間として迎えたいと誘いました。初めは戸惑ったいちかでしたが、「自分の経験が誰かの役に立つなら」と参加を決意します。それ以来、いちかはどんな時も冷静さを失わず仲間たちを支える頼もしい存在となりました。心の奥には今も両親の教えと家族の思い出が息づいており、それが彼女の誇りであり、前へ進む強さの源になっています。